新規就農を考え始めると、最初に感じるのは「夢」よりも「やることの多さ」かもしれません。
作物選び、農地探し、研修、設備投資、補助金、販路、SNS発信……。
情報を集めれば集めるほど、「全部やらなければ成功できないのでは」という不安が膨らんでいきます。
農園ほたるも、まさにこれから新規就農を目指す立場です。
準備を進める中で感じたのは、新規就農は頑張りすぎる人ほど失敗しやすい構造になっているということでした。そんなときに出会ったのが、「エッセンシャル思考」という考え方です。
新規就農は「全部やろうとすると失敗しやすい」

新規就農に関する情報は、とにかく多いです。成功事例を調べれば、複数品目栽培、六次産業化、直売所・EC・イベント出店、SNS発信まで、フル装備の農家像が並びます。
新規就農前から、やることは無限にある
就農前にも関わらず、やるべきことは山積みです。
技術習得、経営計画、資金繰り、地域との関係づくり。真面目な人ほど「準備不足ではいけない」と、すべてを同時に進めようとしてしまいます。
しかし、時間も体力も資金も限られている中で、すべてを完璧にやろうとすれば、どれも中途半端になってしまいます。
「頑張りすぎる人」ほど消耗する理由
新規就農の失敗談を見ていると、「努力が足りなかった」よりも、「やりすぎた」ケースが目立ちます。
本来は一つずつ積み上げるべきことを同時進行し、結果として疲弊してしまう。これは個人の能力の問題ではなく、選択の問題だと感じました。
これから新規就農する農園ほたるが感じている違和感
農園ほたるも、情報収集を進める中で、ある違和感を覚えました。
理想的な農家像が多すぎる
「これが正解」という農家像が多すぎるのです。
どの事例も魅力的に見え、「これも必要では?」「あれもやるべきでは?」と判断がぶれていきます。
最初から全部は無理だと気づいた
一方で、暮らしや家族の時間を考えると、最初からすべてを抱えるのは現実的ではありません。
そこで必要だと感じたのが、やることを増やす思考ではなく、減らす思考でした。
「エッセンシャル思考」とは何か

そんなときに読んだのが、グレッグ・マキューン著『エッセンシャル思考』です。
エッセンシャル思考とは、「より少なく、しかしより良く」。
すべてをやろうとするのではなく、本当に重要なこと以外は意図的に手放す考え方です。
農業の本ではありませんが、読んでいて「これは新規就農そのものだ」と感じました。農業経営は、選択の連続だからです。
エッセンシャル思考を新規就農にどう活かすか
エッセンシャル思考を農業に当てはめると、最初にやるべきことはシンプルです。
「やらないことリスト」を先に決める
例えば、
こうして「やらないこと」を明確にすることで、判断の迷いが減ります。
判断基準を一つ持つ
農園ほたるでは、「この選択は、続けられるか?」を基準に考えています。
短期的な売上より、継続できる暮らしを優先する。その基準があるだけで、選択が驚くほど楽になります。
農園ほたるが新規就農に向けて決めていること

私たちは、最初から大きく成功することよりも、長く続けることを重視しています。
小さく始めることを最優先に
初期投資を抑え、身の丈に合った規模で始める。
拡大は後からでもできますが、失敗したら戻れません。
「増やす」より「続ける」
売上や規模は、続けた先についてくるものです。
まずは、無理なく続けられる農業経営を目指します。
新規就農で本当に大切なのは「選択と集中」

新規就農で失敗しないために必要なのは、特別な才能や根性ではなく、
何をやらないかを決める勇気ではないかという気がしています。
エッセンシャル思考は、農業技術ではありませんが、確実に新規就農の生存率を上げてくれる思考法だと感じています。
私たちも、この考え方を軸に、一歩ずつ就農への準備を進めていきます。


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