孫ターンで叶える、新規就農の“現実的なスタートライン”
新規就農を考えるとき、多くの人がぶつかる壁があります。

地域に溶け込めるか不安

収入は安定するのだろうか
特に子育て世帯にとっては、これらは決して軽い悩みではありません。
そんな中で近年注目されているのが、「孫ターン」という選択肢です。
Uターンでもなく、Iターンでもない。
祖父母の暮らす地域へ“孫世代が戻る”という移住スタイル。
実はこれが、新規就農と抜群に相性がいいのです。
孫ターンが就農にどう役立つのか、探っていきましょう。
孫ターンとは? なぜ今、移住者に選ばれているのか

孫ターンとは、祖父母が暮らす地域へ移住することを指します。
Uターンとの違いは、親ではなく“祖父母”とのつながりを起点とする点。
この「祖父母ライン」が意外にも強力で、
というメリットが生まれます。
移住者は地域に入る際の“信用ゼロ”からのスタートが多いですが、
孫ターンは最初から “ほんの少しの信用” が手に入る——これが圧倒的に大きいのです。
「息子には厳しい、孫には優しい」は本当にある

農家や田舎の地域に入ると、年配の方からよく聞く言葉があります。
「農業で家族を養うなんて甘くないぞ」という厳しい声です。
息子世代が農をやりたいと言うと、全力で止められることすらあります。
ところが、孫世代になるとこの反応がガラッと変わることがあります。
孫が「農業をやりたい」と言うと、
「応援してやりたいなぁ」「若い子が来てくれるのは嬉しい」
という前向きな気持ちに。
ほどよい距離感があるからこそ、
“期待よりも喜びが勝つ” のです。
この心理的な追い風が、孫ターンを非常にスムーズな選択肢にしています。
わたしたちの例「非農家の孫ターン」——すんなり移住を決めた理由

ここで、農園ほたるの例をご紹介します。
筆者は農家の孫ではありません。
祖父母は非農家で農地もありませんでした。
それでも、孫ターンで移住したことで、以下の大きなメリットを享受できました。
① 家があるだけで移住コストが激減
空き家だった祖父母の家を引き継いで、住むことに決めました。
住む当てがある=これは新規就農において“圧倒的なアドバンテージ”です。
すぐには住める状態ではないのですが、片づけをし、
セルフリノベーションしながら暮らすことで、
生活コストを抑えつつ、暮らしを自分たちでつくるという選択をしました。
「仕事をしながら拠点づくりができる」
これは他の移住スタイルにはない魅力です。
② 完全に知らない土地ではない安心感
祖父母の家がある地域ということは、
・昔訪れたことがある
・その地域の雰囲気を知っている
という程度でも“軽い土地勘”が生まれます。
移住の大きな不安である「土地勘が全くない」ストレスが激減しました。
③ 地域ネットワークが最初からうっすらある
非農家でも、祖父母の近所付き合いがわずかに残っています。
この“ゆるいつながり”が、
・畑を借りる話につながったり
・道具を譲ってもらえたり
・地域のキーマンを紹介してもらえたり
と、約に立つことがあるのではないでしょうか。
孫ターンは、「完全なよそ者」ではない状態からスタートできるのです。
孫ターンは新規就農の最大の壁をどう下げる?
●信用を得やすい
うっすらと祖父母のネットワークがあれば、家や農地の紹介も受けやすいかもしれません。
● 初期費用を抑えられる
祖父母の空き家を活用することで住居費を抑えられる。
● 孤独になりにくい
就農初期にもっともつらい“孤独”を和らげてくれる。
これらは、特に子育て世帯にとって非常に大きいポイントです。
古い価値観と新しい価値観、その橋渡し役になれるのも孫ターン

地方にはまだまだ古い価値観があります。
「一家の主が家族を養うべき」
「農業は甘くない」
「若いうちは修行してなんぼ」
こういった価値観は否定されるべきではありませんが、
現代の暮らしとは少しズレてきています。
今やサラリーマンでも共働きが当たり前。
“養う”という言葉そのものが、時代に合わなくなりつつあります。
孫ターンは、
・祖父母たちの知恵
・孫世代の柔軟な価値観
この2つを橋渡ししながら、新しい農のかたちをつくれる立場です。
まとめ:孫ターンは、新規就農の「最も現実的な選択肢」のひとつ
もしあなたが、
・農業を始めたい
・でも不安が多い
・生活や子育てとの両立が心配
と感じており、祖父母の田舎がある場合、
孫ターンを考えてみるというのもありかもしれません。
農園ほたるのように、
「非農家の孫」でも十分にメリットがある のが孫ターンの魅力。
家・土地勘・地域ネットワーク。
これらは目立たないけれど、“新規就農が成功するための土台”です。
孫ターンは、
あなたの農のある暮らしを、
もっと穏やかに、もっと現実的に始めるための強い味方になるでしょう。
📚 参考サイト
新規就農について、もっと深く知りたい方のために、役立つ情報源をまとめました。制度の確認から実例探しまで、次のステップに進むヒントとして活用してください。
新規就農の促進(農林水産省)
新規就農制度・研修・相談窓口などをまとめた公式情報。
農業をはじめる.JP(全国新規就農相談センター)
農業体験、支援情報、自治体やJAが提供する制度を網羅した新規就農ポータル。
香川県 新規就農情報
香川県が運営する「新規就農」の総合ページ。就農相談、制度、研修など幅広な支援内容がまとまっている。


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