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耕作放棄地はあるのになぜ借りられない?新規就農者が直面する「農地取得」の壁

自然・農園のこと
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農地があるのに、紹介されない

わたしたちは香川県善通寺市で新規就農を目指し日々研修や準備に励んでいますが、ある不思議な現象に突き当たっています。

  • 「目の前に耕作放棄地があるのに、農地はないと言われる」
  • 「空いている土地はいっぱいあるのに、条件に合うものが出てこない」

これは単なる個人の感想ではなく、日本の農地制度の大きな転換期と、現場の運用ルールが深く関係しているようです。この記事では、体験談を交えながらその正体を整理します。

なぜ「使える農地がない」と言われるのか?3つの現実的な理由

支援機関に相談して返ってくる「紹介できる農地はありません」という言葉。その裏側には、外からは見えない高いハードルが隠されています。

1. 「貸せる状態」になっていない農地が多い

風景として広がっている耕作放棄地の多くは、法律や権利の問題を抱えています。

  • 所有者が高齢で亡くなり、相続登記がされていない
  • 親族が多岐にわたり、全員の同意を得るのが困難
  • 土地に古い空き家や残置物があり、農地としてすぐ使えない

相続登記や空き家の処分をきちんとしないと若い世代に引き継げません。地域が荒廃する原因になるので、きちんとしたいですね。

2. 利用しやすい農地は「現役農家」で埋まっている

条件の良い(平坦・水利が良い・大型機械が入る)農地は、既に地域の担い手が耕作しているか、公に出る前に近隣農家で割り振られてしまうのが現実です。

3. 「飛地(とびち)」による管理の難しさ

紹介される土地があっても、一箇所にまとまっておらず、移動に時間がかかる「飛地」であるケースが少なくありません。

【重要】2025年4月からの制度改正が与える影響

これから就農する方が必ず知っておくべきなのが、農地制度の改正です。

農地中間管理機構(農地バンク)への一本化

2025年4月以降、農地の貸借手続きは原則として農地中間管理機構(通称:農地バンク)を介する仕組みに集約されます。

ポイント:地域計画(目標地図)の策定
現在、各自治体では「10年後に誰がどの農地を耕作するか」を決める地域計画を作成しています。この計画は「効率的かつ集約的な農業」を目指しているため、以下のような傾向が強まっています。

  • 大規模経営や法人が優先されやすい
  • 小さすぎる区画住宅街の農地は制度の対象になりにくい

そのため、新規就農者が希望する「生活圏に近い小規模な畑」は、制度の枠組みから外れてしまい、「ない」と扱われてしまうことがあるのです。

価値観のミスマッチ:「効率」か「暮らし」か

「農地がない」という問題の本質は、行政側と就農者側の価値観の違いにもあります。

視点重視すること紹介される農地の傾向
行政・支援機関経営の安定・生産性広大、機械化向き、集約地
小規模就農者暮らしとの両立・多品目生活圏内、扱いやすいサイズ

行政は「食べていける農業」を支援するために、あえて条件の良い広い土地を勧めます。しかし、それが必ずしも「自分たちが目指す農業の形」に合うとは限らない。この認識のズレが、「あるのに、ない」という違和感の正体です

まとめ|納得できる「スタート」を切るために

善通寺市での経験を通じて分かったのは、農地取得の壁とは、単なる手続きの壁ではなく、「どう生きるか」という前提の違いが生んでいる壁だということです。

焦って自分たちのスタイルに合わない農地を借りてしまうと、後の管理で疲弊してしまいます。

  • 制度の仕組みを正しく理解する
  • 自分たちの「農業の形」を言語化し続ける
  • 地域の人との信頼関係を地道に築く

時間はかかるかもしれませんが、納得できる土地と出会えた時こそが、本当の意味での「新規就農」のスタートです。根気強く、自分たちの価値観に合う場所を探していきます。

関連リンク・参考資料

この記事で触れた農地制度や法改正について、より詳しく知りたい方は以下の公式サイトをご確認ください。

農地中間管理機構(農地バンク)公式サイト

全国の窓口一覧や、制度の具体的なメリットが紹介されています。

2025年4月からの法改正に関する解説

令和7年(2025年)4月からの完全施行に向けた、貸借手続き一本化の解説資料です。

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