道の駅や産直に並ぶ野菜を見ていると、こう感じることがあります。
「どれもちゃんと美味しそうなのに、なぜか売れ残っている野菜がある」。
私たちもこれから新規就農し、産直や道の駅で自分たちの野菜を販売することを考える中で、この違和感を強く感じるようになりました。
味や鮮度に大きな差があるようには見えない。それでも売れる野菜と売れない野菜がある。その違いはどこにあるのでしょうか。
そのヒントになったのが、
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』という本と、
もう一つ、無印良品の「不揃いバウム」の存在でした。
道の駅・産直で野菜が売れない本当の理由
多くの場合、野菜が売れない理由は「味」や「鮮度」ではありません。
産直に並ぶ野菜は、一定以上の品質をクリアしているものがほとんどです。
売り場では「背景」がほとんど伝わらない
産直の売り場で買い手が判断できる情報は限られています。
誰が、どんな場所で、どんな考えで作っているのか。
その背景は、ほとんど見えません。
結果として、野菜は「見た目」と「価格」でしか比較されなくなります。
無印良品の不揃いバウムは、なぜ売れるのか

ここで思い出したのが、無印良品の不揃いバウムです。
形が曲がっていたり、焼き色にムラがあったり。それでも、不揃いバウムは「価値のある商品」として選ばれています。
不揃いでも売れる理由は「信頼」
不揃いバウムが売れるのは、
- 無印良品が品質管理をしている
- 味は問題ないとわかっている
- 「無印なら大丈夫」という安心感がある
つまり、販売者への信頼がすでに存在しているからではないでしょうか。
不揃い野菜が売れないのは、品質の問題ではない
野菜も同じです。
形が不揃いでも、味は変わらない。むしろ自然な証拠でもあります。
それでも売れにくいのは、
「この生産者なら大丈夫」という信頼が、売り場だけでは伝わらないからではないか、と考えました。
そうであるならば、不揃い野菜が売れないのは、商品の欠点ではなく
生産者が見えていないことが原因だということはないでしょうか。。
「バナナの魅力を100文字で伝える」思考は信頼づくりの第一歩

売り場では100文字が限界
産直のPOPで読まれるのは、ほんの数秒。
その中で、「この野菜を選んでも大丈夫」と思ってもらう必要があります。
100文字で伝えるべきなのは、
無農薬だとか有機だとかいう栽培技術の詳細よりも、
「誰が作っているのか」「どう向き合っているのか」だと感じました。
100文字は「入口」にすぎない
ただし、100文字ですべてを伝えることはできません。
だからこそ、その先に「続き」を用意しておく必要があります。
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』は、文章術の本でありながら、農産物販売にそのまま応用できるのでは、思った一冊です。
専門用語や難しい理論ではなく、「相手目線で考える」ことを徹底的に鍛えられます。
産直のPOP、商品シール、SNSの投稿文。
真剣に取り組んでいる個人の生産者さんがどのくらいいるでしょうか。
どれも「短く、わかりやすく」が求められる場面ばかりです。
信頼を積み上げる売り方
これから新規就農するのにあたっては、産直の売り場だけで勝負するつもりはありません。
SNS・YouTube・ブログを通じて、生産者そのものを知ってもらうことを重視しようとしています。
売り場は「入口」、発信は「信頼づくり」
POPで興味を持ち、
SNSで人柄を知り、
YouTubeで畑の空気を感じ、
ブログで考え方に触れる。
この積み重ねが、「あの農家の野菜なら買いたい」につながるのではないだろうか。
非常に実験的な試みですが、これから時間をかけてチャレンジしようと思います。
不揃い野菜こそ、発信と相性がいい
不揃いな理由は、ストーリーになるのではないでしょうか。
天候、土、手作業。
均一ではないこと自体が、農業のリアルです。
発信を通じてその背景を知ってもらえれば、不揃いは欠点ではなくなります。
まとめ

無印良品の不揃いバウムが売れるのは、
商品ではなく、販売者への信頼があるからでは、という私の仮説。
不揃い野菜も、同じ目線で見ると。
足りないのは品質ではなく、
「この人が作っているなら大丈夫」という信頼感。
もちろん、栽培への努力や勉強は欠かしませんし、良い品質を届けたいという気持ちで取り組みます。
農業の現実を知らない、そんな野菜は誰も買わない、などと言われてしまいそうですが…
これから先どんどん顔の見える野菜や、地域の農業者が減っていく現実は避けられません。
100文字で入口をつくり、
SNS・YouTube・ブログで背景を伝える。
農園ほたるは、新規就農前からこの信頼づくりを意識し、
不揃いでも選ばれる農業を目指していきたいですね。


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